重ね重ねで申し訳御座ませんが、今月(7月)号からの「わのわ通信」は毎月5日の発送とさせて頂きます。宜しくお願い致します。
私事ですが、4月の後半から6月の中旬まで卸の仕事で飛び回っておりました。そんな中、商品の補充や確保で十日町・小千谷へ出向くことが多く、行くたびに作り人や産地問屋の窮状を知ることとなりました。例えば、産地問屋筋では塩沢御召・夏塩沢・塩沢紬が品薄状態で作り人に生産をお願いすると、絣を括る人や織り手不足で今が手いっぱいの状態とのこと。新しく発注をお願いすると、長いもので2年から3年先の納品という返事が来ることもあるそうです。そして納品価格もその時になってみないと分からないとのこと。まったく先が見えないと産地問屋は嘆いておりました。
今申し上げた通り越後三大産地の中でも、塩沢が深刻な状態に陥っております。後継者不足ではなく後継者がいない状態で、携わっている人の高齢化がものすごいスピードで進んでいるのです。遠くない近い将来塩沢産地は、大変なことになると思っている関係者は少なくありません。この状況を小売店さんに言うと「え、そんな状況なんですか」くらいの返事しか返って来ません。将来塩沢の織物が売れなくなるかも知れないのに、我関せずみたいな態度です。塩沢だけではありません。十日町も小千谷もそして全国の織物が同じような状況にあります。先の無い暗い話になってしまいましたがこれが現実です。
ここからは、ひとり言ではなく商売の話です。
7月11日(水)~16日(月)と7月19日~23日(月)の期間、先に申しました品薄の塩沢御召を数は少ないですが販売会を行います。塩沢関係の織物は先月6月に価格が上がったのですが、この期間は上がる前の価格にての販売です。まだお持ちでない方は、新潟県の代表的な織物を一つ手に入れてみては如何でしょうか。
また、すでにお持ちの方は塩沢の良さを御存じと思いますので、単衣をお持ちの方は袷を、袷をお持ちの方は単衣を、薄地色をお持ちの方は濃地色を、濃地色をお持ちの方は薄地色をお求め頂ければ幸いです。お越しを心よりお待ち申し上げております。商売の話でした。
先日思いがけない人から電話がありました。以前取引のあった京都の問屋の社員だったMさん。大変お世話になった方でしたけれど、退職されて10年も経つのに突然の電話。一瞬誰かと思ったのですが、名乗られて直ぐ思い出せませんでした。声にだんだん記憶が蘇って参りました。懐かしくって電話をくれたそうです。退職されて10年も経ってから声の便りを頂くのは初めてのことでした。思い出して頂いたことに感動してしまいました。
あの頃、宮川さんは当店の他に市内をもう2店舗担当しておりました。その2店舗は今年無くなったと話すとビックリしていました。そうだと思います。うちが最初だと思いますから・・・。他愛もない話をし、最後に「頑張って下さい。」と電話が切れました。
わのわを思い出してくれてありがとう。
その後少しの間、あの頃のことを思い出しました。
仕事を辞めてもうちのことを思ってくれている人がいるかと思うと、もう少し頑張ろうと思います。