20170101

知らないとは恥ずかしくもなく、知らないことを知ってしまうと恥ずかしいものです。

 お正月のお屠蘇(とそ)の意味を初めて知りました。私は、お屠蘇は正月に飲む日本酒とばかり思っておりました。お客様と店での会話の中で遠路嫁いでこられた方が、初めての正月を迎えた時にお屠蘇と思って頂いたものが日本酒でビックリしたと話され、「えっ、お屠蘇って日本酒じゃないんですか」と言ったところ、「違うでしょう」との返事。

 私、六十数年日本酒だと思っておりました。次の日に店に来た方に「お屠蘇って、日本酒じゃないの知ってました?」と尋ねると「知ってるよ。えっ、知らなかったの」私、無言です。するとお客様は「お屠蘇は、数種類の薬草を組合わせた屠蘇散(とそさん)を日本酒などに浸して作る、薬膳酒みたいなものだよ。」との事、本当に知りませんでした。

 屠蘇(とそ)または、お屠蘇(おとそ)とは、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む縁起物の酒であり風習である。「屠蘇」とは、「蘇」という悪鬼(あっき)を屠(ほふ)るという説や、悪鬼を屠り魂を蘇生させるという説など、僅かに異なる解釈がいくつかある。と書いてありました。

 ついでに何となく、お節も調べてみました。「おせち」は「御節供(おせちく・おせつく)」や「節会(せつえ)」の略で中国から伝わった五節句の行事に由来するそうです。五節句とは、人日(じんじつ)(一月七日)・上巳(じょうし)(三月三日)・端午(たんご)(五月五日)、七夕(しちせき)(七月七日)、重陽(ちょうよう)(九月九日)があり、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れています。おせち料理はもともと、季節の変わり目とされる「節」に、神に供え物をし、宴を開くという宮中行事で用いられていた料理。「御節供料理」と呼ばれたこの料理は、いつしか庶民の間にも浸透し、お正月の「おせち料理」として定着したので、昔の人々はおせち料理に、豊作や家内安全、子孫繁栄を願う意味を込めたそうです。

 本当に、知らなければ何とも思わないのに、世間の常識を知ってしまうと、恥ずかしいです。もっともっと知らない常識があると思います。皆さん教えて下さい。

 今年2月19日に市民プラザ・風の部屋で、岩手県陸前高田市の海岸山普門寺 熊谷光洋住職をお招きし、講演会を開きます。その打ち合わせで昨年12月7日に伺った時の話です。

 熊谷住職が首を傾げながら、わのわさんどう思う?と訪ねて来ました。昨年11月4日付の神戸新聞夕刊に「理解に苦しんでいます」というタイトルで掲載された内容で、神戸市内のマンションで管理組合の理事を務めている男性(56)からで「マンション内でのあいさつの禁止」決まったことについて、「理解に苦しんでいます」との訴えです。

 発端はマンションの総会の中で、ある親から「(子供に)知らない人にあいさつされたら逃げるように教えているので、マンション内ではあいさつをしないよう決めて下さい」との提案。その上で、子供には声をかけられた相手が住民かどうか判断できないことから「教育上困ります」とも話したそうです。またこの席に来ていた年配の住民も賛同。あいさつをしても相手から返事がなく「気分が悪かった」として「お互いにやめましょう」と意見が一致し、「あいさつ禁止」のルールが明文化されたそうです。

 熊谷住職に、私たちは小さい頃から親に「人に会ったらあいさつしなさい」や「あいさつもできない子はダメだ」などと厳しく言われてきました。このような提案が出ることが、何とも複雑な気持ちですと熊谷住職に申しました。

 皆さんは、どう思われますか?お考えをお聞かせください。

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