20240801

思ったのですが、「これいいね」と人に物を勧めたり

「行ってごらんよ」と場所や「食べてごらんよ」と食べ物やそれを提供しているお店を紹介したりと気楽に人前で口にして来ましたが、はて?人に物を勧める、これは私の仕事でもあります。問屋業の時はお店のためにと勧め、小売業になるとお客様に似合うものをと勧めて参りました。

きものの時は、心からその方に似合うものをご提案しております。でもほかの物や場所、食べ物などはその方に向いて言っているのではなく、自分が好きだったから自分が行って良かったから自分が食べて美味しかったからと、自分を真ん中に口にしてきたと思うのです。中には人から聞いて良かったからそれをまた伝えてきたこともあります。それも自分が良かったからです。

 すべてが自分からなのです。自分が嫌いな物は勧めませんし、自分が感動しなかった場所は行ってごらんとは言いません。自分が美味しくないと思った食べ物は勧めませんし、自分が美味しくないと思ったお店は紹介しません。勝手ですよね。私が嫌いでもその物を好きな人はいます。私が感動しなくてもその場所に感動する人はいます。私の口に合わない食べ物でも好む人は多いかもしれません。

 思うのです。もう少し口を慎もうと。これ絶対いいから、あそこは絶対に絶景だから、これ絶対に美味いからと、その後に買いなよ行きなよ食べなよと言っていました。若い頃ならあんたが買えばあんたが行けばあんたが食べればと口には出さずとも思ったと思います。もう私の周りには年上が少なくなってまいりました。年下に上から目線で自分の思いだけを伝えてはいけないと思います。思ったことを直ぐに口に出すのではなく、他人の目線や思いも考えてから言おうと思います。

 仕事は別ですよ。お客様が似合うものを提案し、好むものを見つけ出すことを日々心掛けております。最近お客様への提案に多々相違が生じます。これは良いことかと感じます。お客様も言いなりの見立てではなく、自分を磨き、その結果自分好みを見つけ出し、相違が生じて来ているのだと思います。もしくは私が全く的外れな提案をすることも多々ありますので、皆様もご注意を!

 とは言ってもこれからも自分の押し付けが多々あるとは思いますが、お客様と一緒に美味しいものを食べに行ったり、きものが似合う場所に一緒に訪れたりとお誘いをしたいと思いますので、その時は是非ご参加下さいませ。

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