そもそも前進座とは、1931年(昭和6年)に創立されて以来、歌舞伎から現代劇まで多彩な活動を続けている劇団です。私もNPO法人きものを着る習慣をつくる協議会の仲間と10年くらい前から毎年1月に京都・南座に掛かる演目を何度か観に行っておりました。そのときは特典として舞台終了後、NPOの会員だけが南座の舞台に上がり演技を終えたばかりの役者さんと一緒に写真を撮ったりしました。
2013年1月には東京・吉祥寺にある前進座劇場が閉館するということで観に行って来ました。それからしばらく前進座の観劇は遠のいておりましたが この春、劇団の事務の小林さんが突然“わのわ”にやって来て たった今11月の柏崎文化会館アルフォーレでの“たいこどんどん”の公演が決まったので報告と来場の依頼に来ましたとの事。3月からの“わのわ通信”に開催のご案内をさせて頂いております。
えんま市の時に前進座の俳優・益城宏さんが、柏崎の後援会の宮崎さんとお二人で訪れ、今日から市長など主な方々の所に公演の挨拶と勧誘に尋ねまわっていたところ、ある方から“わのわ”は3月から告知していると事を聞き、ビックリして訪ねて来たそうです。お二人に成り行きをお話しいたしました。
その時に、益城さんから興味あるお話を伺いました。今回の“たいこどんどん”は井上ひさしさんの作品で井上ひさしさんは山形県東置賜郡小松町(現・川西町)の生まれです。幼少時貧しい生活を送っていたころに岩手県一関市で前進座が芝居小屋を張っていた時、お母さんに連れられて芝居小屋に行き、お母さんが座長に、お金がないのでせめてこの子一人芝居を見せてもらえないかと頼んだところ座長は親子を小屋に入れ芝居を見せたそうです。
井上ひさしさんの演劇鑑賞デビューだったそうです。
“たいこどんどん”は井上ひさしさんが立ち上げたこまつ座の演目でこまつ座以外は行えなかった演目だったそうです。こまつ座の劇団員は“たいこどんどん”の演目の中できもの姿でタップダンスを踊るシーンがあり、踊りが終わると着くずれがしたそうです。どんな経緯かは知りませんが、あるときそのシーンを前進座の劇団員らに踊らせたら一糸乱れず着くずれしなかったことに感動し、前進座にこの演目の公演許可を出したとの事です。
最後に益城さんは、「クライマックスの重要な場面でこの柏崎が登場します。是非多くの柏崎の人に観て欲しい」と言って帰られました。内容は観てのお楽しみだそうです。そうそうもう一つ見どころは総勢20名位の役者さんが、主人公2人を除いて90名以上もの役を演じるのだそうです。井上ひさしさんは役者が舞台裏で出番を待っている時間が無駄だと考え、一人何役もこの演目では出演させております。役者さんの早変わりも見どころのひとつかもしれません。楽しい舞台であることは間違いありません。皆さん一緒にきものを着て観劇に行きましょう。
宣伝!11月22日(水)午後6時から西港町の割烹天屋旅館で第三回“和樂の会”を行います。この時に、前進座の役者さんをお呼びし、明日の演目の説明や見どころなどをお話しして頂き楽しい一時を過ごし、翌日みんなで舞台を観に行きましょう。